承認申請から承認までに5年、さらに発売まで7か月。
ついに日本でも2021年2月24日に9価HPVワクチンのシルガード9が発売されました。
当院でも準備が整ったため、3月1日から予約受付、2日より接種を開始いたします。


シルガード9って?

子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染を予防するワクチンです。
従来のものでは子宮頸がんの予防効果は約65%とされていますが、9価のワクチンでは90%以上の予防効果が期待されています。

詳しくは当ブログの過去記事をご参照ください。

9価HPVワクチンが承認されました!
シルガード9についての説明記事です。

子宮頸がんワクチンについて
従来からあるHPVワクチン(ガーダシル、サーバリクス)についての記事です。

接種費用は?

シルガード9はまだ公費負担の対象とはなっておりません。
このため接種は全額自費となっております。
接種は3回必要です。(初回、2か月後、6か月後)

当院での接種費用は下記のとおりです。
なお、実際には2、3回目の接種であっても、当院での接種が初めての場合は初回料金となります。

初回
 27000円(税込価格29700円)
2,3回目
 25500円(税込価格28050円)


接種にあたりご準備いただきたいこと

今回、接種を受ける方はすべて「ワクチンQダイアリー」というシステムに登録する必要があります。
日本全国どの医療機関においても「シルガード9」を接種する際には登録が義務付けられています。
(海外からの並行輸入品を接種する場合はこの限りではありません)
ご理解、ご協力をお願いいたします。

この登録のためには

・メールアドレス
・接種時に院内にお持ちいただけるスマートフォンもしくはタブレット端末

が必要です。
ご本人のものでなくても保護者の方のメールアドレスや端末でも大丈夫です。

接種当日の登録もできますが、事前にご登録いただいておくとスムースです。
事前登録のご案内は院内にご用意しておりますので、お申し付けください。

当院での接種手順

1.お電話(03-6667-0198)にてご予約ください。
通常のウェブおよびアプリの予約システムからではご予約できません。
ワクチンの在庫状況により当日の接種が可能な場合もありますが、通常は2日前までにご予約をお願いします。
当面の間、初回接種は女性内科医師のもとに行いますので、ご予約可能日は火・水・木曜日となります。
週末(金曜日)の接種をご希望の場合は、前日木曜日に女性内科にて説明、問診を行ったうえでの接種となりますのでご了承ください。

2.接種当日はご予約時間の10分ほど前にお越しください。
ご来院いただいたのち、予診票を記入していただきます。
ワクチンQダイアリーの登録がお済みでない場合は、この時点で登録していただきます。
(院内Wi-Fiをご利用できますので、ご希望の場合はお申し付けください)
18歳未満もしくは高校生以下の方は初回は保護者の方とご来院をお願いします。

3.医師の診察後、接種を行います。

4.接種後、30分間院内で経過観察を行います。
ベッドにてお過ごしいただくことも可能です。
ご希望の方はお申し付けください。

5.次回接種日の登録を行い、診療終了となります。
2回目は初回接種日より2か月後、3回目は初回接種日より6か月後が標準となります。

4価(もしくは2価)と9価どちらを選ぶべき?

9価ワクチンの接種対象者は「9歳以上の女性」です。

世界の接種事例より9価ワクチンのほうが効果が高いことは明らかですが、今のところ公費対象ではありません。
このため、高校1年生までは公費で無料接種できる2価もしくは4価ワクチンもお勧めです。
また、すでに2価または4価でワクチンを接種中の場合、同じ種類のワクチンで3回すべて接種する必要があります。
途中で9価に変更する場合は、新たに9価での3回接種が必要となるので慎重にご判断ください。
公費対象でない方は、より効果の高い9価での接種をお勧めします。

なお、4価ワクチンのガーダシルは男性への接種も可能となっておりますが、9価ワクチンについては現在のところ接種対象者となっていないためお気を付けください。

何歳まで接種できますか?

接種年齢の上限は設定されていません。
ただし、HPVが性交渉により感染するウイルスであること、すでに感染しているHPVへの治療効果はないことを考えると、初回の性交渉を迎えるまでにワクチン接種を受けることがもっとも効果的です。
それ以降であっても、パートナーの変更やパートナーからの新たな持ち込みが起こりうる場合は、接種による予防効果が期待できますのでご検討ください。