風しんは、感染すると2~3週間の潜伏期の後、軽いかぜ症状ではじまり、発しん、発熱、リンパ節腫脹などの症状が出ますが、発しんも発熱も三日ほどで治るので三日ばしかとも呼ばれる病気です。
人にうつす可能性があるのは、熱が出る前1週間から、発熱後5日間程度といわれています。
症状が軽いので、自分がかかったことに気付かず、出歩いて感染を広げてしまうため、流行しやすい病気の一つです。
ところが、この症状の軽い風しんでも、妊娠初期の女性がかかると大きな問題になります。
妊娠初期の女性がかかると、おなかの中の赤ちゃんにも感染し、先天性風しん症候群(CRS:congenital rubella syndrome)という病気を引き起こしてしまうからです。
そして赤ちゃんに生まれつきの心臓病や難聴、白内障などさまざまな症状を起こしてしまうのです。
(このあたりについてはフィクションですがアガサ クリスティの「鏡は横にひび割れて(映画:クリスタル殺人事件)」によく描かれています。)
そこで、風しんの流行対策、特に先天性風しん症候群への対策として、抗体検査やワクチン接種などの対策が進められています。
中央区の場合、昨年に引き続き、今年度も3月31日まで(平成27年3月31日まで)抗体検査とワクチン接種の費用助成が行われています。
対象となるのは、19歳以上の区内在住者で、風しんにかかったことがなく、風しん単抗原またはMR(麻しん風しん混合)ワクチンの予防接種をしたことがなく、風しんの抗体検査をしたことがない以下の方です。
抗体検査
1. 妊娠を予定または希望する女性とその同居者
2. 妊婦健診で風しん抗体価が低かった妊婦さんの同居者
予防接種
1. 上記、抗体検査の結果、風しん抗体価が十分でなかった方
2. 出産後等の方で、妊婦健診等で既に抗体価が十分でないことがわかっている方
上記に当てはまる方は中央区保健所または日本橋・月島各保健センターにて申請書を記入し、助成券(風しん抗体検査及び予防接種予診票兼助成金申請委任状)を交付してもらってから、受診してください。
直接、交付窓口に行けない場合は郵送申請も可能です。
その場合は区のHPに申請書がありますのでダウンロードし、郵送申請してください。
https://www.city.chuo.lg.jp/kenko/hokenzyo/sessyu/senntennseihusinnkinnkyuutaisaku.html
茅場町いとう医院の場合、抗体検査は予約不要ですが、ワクチン接種の場合は電話でのご予約をお願いしております。
(風しん抗体検査、ワクチン接種については、当院受診中の方のご家族であれば男性も受診可能です)
なお、助成券がない場合は、自費での抗体検査、ワクチン接種となります。
区外の方の場合は、お住まいの自治体のHPなどをご確認ください。
茅場町いとう医院で自費での検査、ワクチン接種を行う場合は以下の料金となっております。
風しん抗体検査(HI法) 2300円
風しんワクチン 5200円
(風しん単独ワクチンは供給量が少ないため、特別な事情がない場合は下記の風しん麻しん混合ワクチンの接種をお願いしております)
風しん・麻しん混合ワクチン 8500円
(抗体検査の際は別に初診料3000円もしくは再診料1000円が必要となります)
風しんも、先天性風しん症候群も予防できる病気です。
妊婦さんはワクチン接種ができませんが、多くの人がワクチン接種をすることで、現在の流行を食い止めることができ、結果として妊婦さんを風しんから守ることができます。
自分のため、家族のため、何よりも生まれてくる赤ちゃんのため、抗体検査とワクチン接種をお願いします。
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