急に寒くなってきましたね。
寒くなってくると心配なのがインフルエンザです。
そろそろワクチンを、とお考えの方も多いと思います。
そこで今日はQ&A形式で、よく寄せられるワクチンの疑問にお答えしていこうと思います。

ワクチンはいつごろ打つといいんですか?

東京では例年ですと12月からインフルエンザの報告が増え始め、1月上旬から3月上旬にインフルエンザの流行のピークが見られます。
一方、ワクチンの有効期間は、接種後約2~3週間後から4~5か月とされています。

このためワクチンの接種時期としては11月から12月上旬くらいまでが良いといわれています。
ちょうど今の時期ですね

ワクチンって年によって当たりはずれがあるんですか?

インフルエンザワクチンはその年の流行を予測して作られています。
しかしインフルエンザウイルスは、変異しやすいワクチンのため、年によって多少の差はあります。

IASRの報告によれば
2009/10シーズン 流行したもののうち0.6%はワクチンと異なる型だったが、そのほかはおおむね一致
2010/11シーズン よく一致
2011/12シーズン B型のうち3分の1は効果がなかった。A型のうち4割ほどは効果が十分ではなかった

とのことです。
確かにこう見ると当たり外れは多少あるようです。

ただ、新型が登場しない限りは、「まったくの大外れ」ということはなく、低い年でも流行したウイルスの半数以上には一致しています。

2回打ったほうがいいの?

20歳以上の成人を対象とした試験で、1回の接種で73%(検査法によっては87%)の方に抗体ができたという報告があります。
これをもとに成人では1回接種でもよい、とされています。

ただし、前シーズンにインフルエンザにかかったり、ワクチンを打ったりしていない方は、基礎免疫といわれるもともとの免疫が少ないため、抗体ができてもその持続期間が短くなりやすいといわれています。

このため、前シーズンにワクチンを打っておらずインフルエンザにもかからなかったという方は、2回打ったほうが良いと思います。

また、もともと基礎免疫が少ないと考えられている小児や基礎疾患があり抗体が残りにくい人などは2回打つようにしてください。

2回接種する場合、間隔はどのくらいあけるといいんですか?

2回接種の場合、添付文書上は2~4週間(13歳以上では1~4週間)の感覚をあけて接種すること、となっています。
ただ、最も、免疫効果が上がるのは4週間あけた場合といわれています。
もし、2回目の接種予定時期に体調を崩すなどして間隔がひらいてしまった場合でも、1~2週間程度のずれは問題ないといわれていますので、医師にご相談ください。
(米国では「1か月以上の間隔をあけて接種」とされています。)

インフルエンザワクチンは効果がないという人もいますが…。

現行のインフルエンザワクチンは血液中の抗体を産生するものです。
それに対し、インフルエンザウイルスは鼻腔から感染するため、血液中の抗体では効果がないという人もいます。
確かに、理想的には海外で発売されている点鼻タイプのワクチンのほうが効果があるはずなのですが、まだ国内では認可されておらず、そのため何か問題が起こっても救済制度が利用できないため、当院では採用をしておりません。

なお現行のワクチンでの効果ですが、65歳以上の施設入所者を対象にワクチンを1回接種した研究では、発病阻止効果は34~55%、死亡阻止効果は82%で、発病阻止効果は十分ではないもの、重症化は防げると考えられています。

妊婦もワクチンを打っていいの?

妊婦であっても接種は可能です。
むしろ、妊婦の場合、インフルエンザに罹った時に重篤化しやすいことを考えると、接種していただいたほうが良いと思います。
一時期、ワクチンに含まれる防腐剤の胎児への影響が取りざたされましたが、接種によって先天異常の発生率は増加しないとの報告もあります。
心配な方は、防腐剤無添加のワクチンもご用意しておりますので、ご相談ください。


茅場町いとう医院では、現在、2013年のインフルエンザワクチン接種を行っております。
接種は1回3000円です。
予約なしでも接種できますが、防腐剤無添加のワクチンをご希望の場合などはお電話にてご予約いただくと確実です。
詳しくは茅場町いとう医院のHPをご覧ください。

茅場町いとう医院HP
http://www.kayabacho-itoiin.jp/