これまで、初めて子育てという「フルタイム勤務」に突入することになったお母さんたちのために、身近なところでどんなサポートを受けられるのか、誰に何を頼んだらよいのか、困った時にはここに頼んでみては、といったことを書いてきました。妊娠期間に気持ちの準備はできていたつもりでも、やはりお腹の中から出てきた瞬間から何もかもが待ったなしの状態。教科書通りにいかなくて当たり前が子育てですから、不安と忙しさとで、何かを調べたり先のことを済ませておいたりなんてことに手が回らなくなってしまうことも多いかと思います。

 

専業主婦なら時間があるから大丈夫じゃないか、なんて思われる方がいらしたら、少々イメージを変えていただきたいものです。「フルタイム勤務」という言葉をあえて使うことには、それなりの理由があります。子育てをしている方においては、子育てを休むことへの罪悪感めいたものを感じられる方もいらっしゃるでしょう。また、勤め先での仕事とは異質の、忙しさとかそういったことだけでは片づけられないストレスや不安も多いことでしょう。子育ては24時間、正真正銘のフルタイムと言えるのです。

 

これじゃ親がまいってしまうと思われるかもしれませんが、話し合える友達がいたり、家族の間できちんとした理解や分担がなされているだけでも、ずいぶんと違うものだと思います。

 

まだ話せなくても、子どもは多くのものを感じ、親からいろいろなものを得て日々成長しています。幼児心理学の研究においても、例えば生後まだ数日の赤ちゃんでさえ、単純な絵よりも人間の顔の絵を好んで見たり、他の音よりも人の声に耳を傾けたりするなど、人を求めているということが分かっています。子どもひとりひとりの違いはあるかもしれませんが、愛情をもって接することの大切さに違いはないと言えます。でも、その愛情を注ぐ側がどうしようもなく疲れてしまっていたり、具合が悪かったり、また上手くは言えないけれど何となく調子が悪い、なんていう時は、遠慮なく休みをとって助けを求めてください。そして周りの家族も、それを日頃からきちんと理解できる様に努めてみてください。

 

自分が笑顔になれなくなってしまっていたら、それは黄色信号です。黄色信号が赤信号になってしまったら、愛情をもって接するどころではなくなってしまいますよね。

 

自分の笑顔が子どもの笑顔の素になっていることを忘れないで、時には何か用事があるわけではなくても休む勇気を、助けを求める勇気を、そして周りの家族の方はその理解をもつことを、青信号のうちから気にしてみてください。心と体のバランスのとれた健康の大切さについて、ぜひ身近な方と話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

事務室 伊東昌彦