茅場町いとう医院ふろくのブログ

東京都中央区にある産婦人科・女性内科のクリニック

2016年09月

「子育て」というフルタイム勤務への参加 ~周りに頼れる人はいますか?②~

初めての子育てには、不安がいっぱいです。出産後自宅に戻ってから、ほんのちょっとした買い物にすら出ることのできない状態での初めての子育て。里帰り出産から戻りたての場合もまた同じく、その時は正直なところ不安が喜びを覆ってしまい、まずなんとかしなきゃと思いつつも、思ってもみなかったことにどうにもならない、なんて経験をされた方がきっと多数派なのではないかと思います。

 


何と言ってもやはり「子育て」。とくに新生児の育児は「フルタイム勤務」と言えますので、ひとりでやろうと思っても、それは体も心も言うことをきいてくれなくなってしまいます。


 

ご家庭の事情は様々あろうとは思いますが、「周りの人」ということで考えてみた時に、お子さんにとってもう一人の親、父親が育児にどのくらい参加するか、ということの大切さをやはり考えてみたいと思うのです。イクメンという言葉にも代表される様に、かつては希薄であった父親の育児参加も少しずつ浸透しつつある様に思いますが、それでもまだまだ足りない、というのが正直なところかと思われます。


 

もちろん、無いよりはあった方が良いものですが、ただ出産後に数日休む、男親のいわゆる「出産休み」では本当に家に連れて帰るくらいのことしかできません。やはり、加えて少なくとも家庭での育児がそれなりに軌道にのるまでの間、例えば新生児の3か月検診くらいまでの間は男性も育児休暇を取ることなどできないものでしょうか。


 

厚生労働省の発表によれば、2015年度には過去最高の取得率2.65%を記録したとのことで、数値が上がりつつあること自体は良いことだと思うのですが、実態として残念ながらごく一部という表現をせざるを得ないかと思います。しかも取得内容にいたっては、少し前のデータですが5日以内、数日程度の取得が実に4割、もう少し長めでも1~2週間程度が2割程です。これが改善されているようなことは見えてきていないことを考えると、そもそも少ない取得者のさらに半数以上が、残念ながら実際ほとんど「育児参加」と言い得るほどの育児休暇を取得出来ていないというのが実情の様です。


 

経済的負担がほとんどの家庭にとって無視できない問題であることは変わらないでしょうし、法改正や制度の整備が進んでも、そこは一朝一夕に解決するものではないかもしれません。しかしながら、日本法規情報が行った「男性の育児休業についての意識調査」によれば、育児休暇を取得しない理由の最多は「仕事の代替要員がいない」ことであり、次いで経済的理由があったものの、それに続く理由は上司の理解のなさ、元のポジションに復帰できるかどうかが分からない、また将来的な昇進・昇給への悪影響への懸念など、職場においての理解不足や将来的不安に基づく回答が目立つものでした。とくに上司の理解のなさに関しては、世代による子育てに対する意識の違いが主因の様ですが、代替要員に関しては人的リソースを限った経営が進められる中、少しの休みを取ることすら大変な調整が必要という多くの現場での実情が見え隠れしてしまいます。

 


長年にわたり形作られてきた労働環境や価値観というものを、一朝一夕に変えることは難しいかもしれません。そのことを考えると、諸外国で見られる男性の育児休暇取得の実態などを、そのまま当てはめて考えることは、残念ながらできないかとも思います。

 


ただ、いろいろな課題がある中で、改めて「自分の子供を育てる」ことに父親として参加するという、ごく普通のことを真っすぐに考えてみる時なのではないでしょうか。

 


まだ言葉を話し始めるずっと前から、子供はちゃんとこちらを感じてくれています。そこから親としての役割を果たし始めるのは、母親、父親両方にとって等しく大切なことなのではないでしょうか。

 


その考えをひとりひとりがきちんと持ち、そのことについて話し始めていくことが、私たちがどう育児に関わっていけるのかの具体的な出発点となってくれるかもしれません。

 


母親になりたての女性にとっての大事で頼れる周りの人を、「周りにいるだけの人」にしてしまわないよう、ぜひ早くからご家庭で話し合ってみてください。


事務室 伊東昌彦


「子育て」というフルタイム勤務への参加 ~周りに頼れる人はいますか?① ~

はじめまして。茅場町いとう医院の事務室長をしております伊東昌彦です。非常勤でしかも奥にいますので、普段はなかなかお目にかかることがないかもしれません。医院では総務担当です。

医師や看護師ではない私ですが、医業に関わる者としまして、一般的な事柄を中心にブログ記事を書いてみたいと思います。よろしくお願いいたします





平均出生率1.46。回復してきたとは言え、まだまだ人口維持に必要とされる2.07にもほど遠く、改めて安心して子育てができる環境があるのだろうか、と考えてしまうのは残念ながら正直な感想かもしれません。そして現在の数値は、多くの人が抱くそんな疑問や不安がそのまま表れているものではないでしょうか。

 

 

待機児童の解消という目標をよく耳にしますし、確かにそれは今とても求められる対策のひとつには違いないかと思います。しかし『子育て』というフルタイム勤務に突入するとき、求められる助けはもっと多岐にわたり、なかには一見それほど重要でもなさそうでも、実は切実に必要とされるサポートが意外とある様に思います。

 

 

核家族化が進み、地域の閉鎖性が叫ばれるなか、都道府県別で見たときに東京都の出生率がとりわけ低いことには何となく納得してしまいます。初めて母親になった人は母親年齢0歳。赤ちゃんと一緒に悩んで、何を聞いたらいいのか、誰にきけばいいのかもわからない不安といったら、言い知れぬものがあるかと思います。普段は落ち着いてなんでもテキパキこなす人だって、なかなか教科書通りにいかないのが子育て。思わぬところでつまずきの連続かもしれません。

 

 

お住まいの地域により事情も様々かと思いますが、手探りで悩んだときにまず相談できる、かかりつけの小児科を見つけておくと安心かもしれません。可能であれば医院のお休みなどが異なる2ヶ所以上、保険センターでの検診などを通じて地域の小児科の先生と触れ合う機会もあるかと思いますので、何かの時に備えて場所と診療時間だけでも確認しておくと慌てずにすむかもしれません。それから、夜中の急な発熱など救急車を呼んだ方がよいのか判断に迷う場合などには、厚生労働省が事業を管理している小児の救急相談が助けになってくれます。全国一律の短縮ダイヤル「#8000」でつながりますが、子供の症状に応じて適切な対処方法や、受診する病院のアドバイスを受けることができますし、電話口で専門のスタッフに相談している最中にも、電話越しに聞こえる子供の声の様子などから症状を読み取ってくれることもあり、落ち着いて適切な判断をする助けになります。

 

 

また、新しく引っ越してきた町で、初めての子育てを経験される方も多いかと思いますが、外に連れていける月齢になったら、地域の児童センターに行ってみることでホッと肩の力が抜け、自分でもびっくりした経験のある方も少なくないのではないでしょうか。話すことは心の浄化作用を生むと言われますが、同じ悩みを共有できる相手がいることで共感し合えて、そこには自然と話しやすい環境が生まれるかと思います。


事務室 伊東昌彦

ごあいさつ
日本橋茅場町にある産婦人科・女性内科のクリニックです。

HPに載せきれないいろいろな情報をブログにつづっていきたいと思います。