緊張の糸もずっと張ったままでは、いざという時に動けなくなってしまいます。弓の弦と同じですよね。子育てフルタイム勤務をはじめて、やっと少し慣れてきたころ、知らず知らずに体が溜めこんでしまっていた疲れやストレスがどっと出てきて、体調を崩してしまうことも珍しくありません。ところがママの育児職場はフルタイム勤務、交代要員のパパは残念ながらあまり当てにできない場合も多く、あぁこんな時近くにおばあちゃんがいてくれたら、という思いは多くの新米ママさんが一度ならず経験済みでしょうか。ご兄弟や親御さん、近しいご親戚などがそれほど遠くなく一日ヘルプを頼める環境にあればよいのですが、ご両親が遠方であったり、お仕事でお忙しかったり、あるいはとても子守を頼めるほどお元気ではない、といった色々な理由で、「ちょっと急だけど明日お願いッ!」とヘルプ信号を出すに出せないようなことが、今は大丈夫であっても、子育て生活では突然やってくるものです。

 

いわゆる「保育ママさん」について、検診などの機会や行政からの案内で聞いたことがある、という方もいらっしゃるかと思いますが、正式には「家庭的保育事業」と呼ばれるもので、平成224月の児童福祉法の改正により法定化された地域型保育事業のひとつです。様々な状況、理由により保護者に代わって、主に3歳未満の子どもを有料で自宅に預かる保育者あるいは保育施設の総称ですが、保育士、幼稚園教諭、看護師、助産師、保健師等の有資格者で、なおかつ地方公共団体から認定を受けた人が行っている場合が多いものの、地方公共団体によっては乳幼児の育児経験者であれば可とする場合があったり、また無資格者であっても、一定の研修を履修する事で資格要件を満たせるようになっていたりします。

 

「保育ママさん」にお子さんを預けたい場合は、お住まいのエリアにより色々と違いはあるかと思いますが、基本的な仕組みとしては、地域のファミリーサポートセンター(厚生労働省による保育緊急確保事業として実施されている「ファミリー・サポート・センター事業」に基づき運営)に「依頼会員」として登録をするところから始まります。その後、やはりファミリーサポートセンターに「提供会員」として登録されている保育ママさんの中から、依頼会員登録時に示した条件に合った人を選んでもらい、後日、お見合いのような形で面談が行われ、その後、初めて子供を預けることができるようになるというものです。自治体によって料金は異なりますが、日中で1時間600800円程度となっており、ちょっと急用で、どうしても自分の体調が悪くて、といった時に備えてまず預かってもらえる準備をしておくと、いざという時に慌てずに済むかもしれません。

 

依頼会員としての登録から紹介、そして提供会員との面談(ファミリーサポートセンターのスタッフ同席の場合が大抵の様です)と、最初は時間がかかるため、初めてですが明日急に、というわけには残念ながらいきません。ただ、小さなお子さんにとっても初めての経験ですし、それはママにとっても同じこと、少し慎重なくらいで安心かと思います。

 

練習のために一度預かってもらい、何かの時に備えてもよいかもしれませんし、何かどうしても用事があるわけではなくても、ママにもちょっと心のお休みが必要な時だってあります。元気な心で子どもに接するためのちょっとした休息だって、立派な育児活動ではないでしょうか。


事務長 伊東昌彦