昔からよく『孫は来て良し、帰って良し』と言われますが、自分が子育てという「フルタイム勤務中」であったときには、心身ともに余裕がなくなりがちであった方も多いことでしょう。これはいつの時代でも変わらぬことかと思います。ただ、もしそれが「パートタイム勤務中」であったなら、そこに少しゆとりが生まれていたかもしれません・・・。

 

祖父母においては、子育てをしてきた経験からの落ち着きと、あくまでヘルプをする立場であるということが、孫の面倒を見ることへの気持ちの負担を軽くしていると言えるでしょう。孫育てを楽しまれているシニアの方も、共働き比率の促進と合わせて増えてきているそうです。

 

ただ、晩婚化が進めば孫の面倒を見る祖父母の年齢も相対的に高齢化が進み、気持ちはあっても体力が追いつかなかったり、気を張っている分、長ければ長いほど気疲れも大きくなってしまうこともありましょう。可愛い孫ではあっても、こうした複雑な心境もまた無視できないのも現実です。疲れ切ってしまわないタイミングでバトンタッチができることが、次回の『来て良し』につながる、『帰って良し』のタイミングなのだと思います。

 

平均出生率だけではなく、実際には出生人数、つまり子どもを産む女性の人数自体が減っていることも、人口維持という大きな枠組みの中で重要な課題とされています。そこから考えると、一人っ子世帯が子育て世帯の中心というわけではないことも分かります。それでも一人っ子の場合には両方のおじいちゃん、おばあちゃんも健在であれば、シックスポケットなどと少子化時代を反映した言葉で言われたもので、一人の子供に都合6人からのお金が集中する様子として、いかにも余裕がありそうに聞こえます。しかし実際は、なかなか上手くいかないのが現状と言えそうです。様々なメディアでの特集を見ると、孫と接する中で実際負担となるのは体力だけではなく、経済的援助の方もまた意外と大きいもののようです。

 

周りの頼れる人として、自分を育ててくれた親やパートナーの親は、健在であれば子育て世帯にとって大きな助けとなってくれる存在です。ただ、色々な意味で次の時にも『孫は来て良し』と思ってもらえるくらいのバランスで、『帰ってよし』の加減を調整することを大切にしたいものです。周りのみんなの力をあわせて子育てができるように、普段から話し合われてみてはいかがでしょうか。


事務室 伊東昌彦